大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)3815 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人桝井雅生の上告趣意第一点について。

第一審判決が証拠として挙示している被告人の検事に対する供述調書の中には、

「同じ日Aという船員から金メツキの鎖バンド合計一八本を同じく無料で貰い受け

ました。之は何れも船員等が税関の手続をせずに陸揚したものだと解つていました」

との記載がある。これによれば被告人はこれ等のものが密輸品であることを知つて

いたのであつて、所論のように単に推測していたというだけに止まらなかつたこと

が明らかである。また第一審判決の引用する司法警察員の捜索差押調によれば、所

論の鎖バンドが被告人の居宅から発見押収されているのであるから、この証拠は被

告人の自白が架空のものでないことを裏附けるに十分である。従つて第一審判決は

所論のように被告人の自白のみでその有罪を認定したのではなく、その真実性を裏

附けるに足る補強証拠を共に証拠として採用しているのであるから、憲法三八条三

項の違反を主張する論旨はその前提を失うこととなり、採用することができない。

同第二点について。

論旨は控訴趣意として主張されず原審の判断を経ていない事項についての主張で

あるから、適法な上告理由とならない。

同第三点について。

論旨は量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条所定の上告理由にあたらない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年七月一二日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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